羽森樹と愉快な仲間達2


「ただいま」
「ん、お帰りー。今日は遅かったね」
「まあ、そうでもないと思うけど」


家に帰った僕を玄関先で迎えてくれたのは、ちょうどいいタイミングで通りすがったであろう、姉の樹果(じゅか)。僕より一つ年上で、学年も一つ上で、学校では先輩だったりする。
先に言っておくと、別に姉がいるから同じ高校に進学したわけじゃない。ただ単に、家から一番近い公立校で、学力的にちょうど良かったっていうだけなんだけど。


「どこ遊びに行ってたのさ。一人で」
「なんで『一人で』って決め付けるかな」
「だって、一人だったんじゃないの?」
「…違うよ。友達と遊んできただけ」
「ふーん。ま、いいけど。…お母さんが、夕飯できてるから早く来いってさ」
「はーい」


リビングに向かう姉を見送って、僕は自分の部屋へ向かった。
さっきは言うだけ言ってみたけど、実際は一人で遊んできた帰りだったりして。近所の小学校の校庭にある壁でテニスの壁打ちをしてきた帰り…なんていうことまで、あの姉にはわかってるんだと思うけど。あえてそこまで突っ込んでこなかったのは、お姉ちゃんなりの優しさなのかって勝手に解釈して、とりあえず手にしていたラケットを部屋に置いて、僕もリビングに向かう。


…っと、その前に。


「美樹ー、夕飯だってー」


隣の部屋、妹の部屋のドアをたたいていく。タイミングからしてお姉ちゃんがもう声をかけたかもだけど、それでもまだ部屋の中から人の気配はあるし、何かに集中して気付いてないのかもしれない。


「わかってる。今行くー」


って声は聞こえてきたけど、数秒待っても動く気配はない。まあ、僕がドアの前からいなくなればほんとにすぐ来るだろうし…多分お姉ちゃんもそうしたんだろうな。
ちなみに、妹は僕の二つ下で、今は中学2年。このくらいの年頃の子は何を考えてるのか良くわからなくて、最近は妹との会話が減ってきた気もする…なんて思わなくもない。まあ、共通の話題が減ったってのが一番かもしれないけど。
中学と高校だと、微妙なとこでいろいろと差が出ちゃうものなのかも。逆に今年になってから、そういえばお姉ちゃんとは良く話すようになった気がしなくもないし。


加えて言うと、父は自営業、母は公務員で、うちは5人家族。ごくごく平凡な、普通の家庭。


今日は12月25日、日曜日。僕の16歳の誕生日。
だからといって多分特別なことがあるわけじゃないんだけど、夕飯のあとにケーキくらいはあると思いたいなあ。


できれば、クリスマスケーキとは別で…なんてね。期待してませんけど。


さて、夕飯夕飯。今夜のメニューは何かなーっと。